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おはようを絶対言わなかったA子の話

かのエリック・バーン先生はおっしゃっいました。

人の悩みの80パーセントは人間関係だ、と。

 

すべての人間関係は挨拶から始まるのですが、これまた挨拶で嫌な思いをする人も少なくない。

つまり・・・

「私が挨拶しても、相手が返してくれません」というもの。

 

挨拶に費やす時間ってごく短いもの。

コンマ何秒かの短い言葉の交流。

そう、やり取りができたなら、いちいち思い出しもしないほどのことなのですが、ただ、一方通行でお返しがなかったときは、それもまたコンマ何秒かのシーンには違いないのに、しっかり傷つきいつまでもこちらの胸に陰を落とすものです。

 

ちょっと昔の話をしましょう。

かつてわたしが勤めていたときのこと。

中途採用で、大人し~く地味~なタイプのA子さんが隣の部署に配属されました。

わたしは今と同じく明るく陽気なタイプ。

しかも派手、その当時はまだ「ゴージャス中川」「セレブ中川」と異名をとるブランドもんキラキラ時代を謳歌していましたしね!

早い話がA子さんとは全く逆のタイプ。

実は彼女はわたしのことが苦手だったのです。

 

 

初めはそんなことも気づかず、朝、出勤したらわたしは元気に

「おはようございま~す!」

顔を合わせた人みんなにフツーに朝の挨拶を。

しかし・・・彼女はわたしには「おはようございます」をゼッタイ言わなかった・・・それくらい「嫌いな相手」だったんでしょうね。

さすがのわたしもいつしかそのことに気づき、毎朝のおはようタイムは、若干イラッとする時間に。

そう、それでも欠かさず挨拶を続けていたんですよ、、、というか反射神経みたいに言ってしまう、というほうが正しいが・・・。

しかし!

わたしも機嫌よい朝ばかりではありません。

 

 

 

ついにある朝のこと。

ロビーですれ違いざまA子さんに「おはよう」と声をかけました。

すれ違いざまですから、超至近距離。

そこには二人しかいないからA子さんも自分に言われていることはわかるはず。

それなのに!

 

 

ガン無視。

 

 

ついにわたしは、無視を決め込み背中を向けてとっとと歩くA子さんの肩をポンポンとたたき呼び止めて

「あんた、朝の‘おはよう’ぐらい言いや~」

と言ったのです。

 

まさかこの一言が、恐怖の始まりだったとは、この時点では知る由もありませんでした・・・・

 

 

なんと、A子さんは上司に

「挨拶しなかったと言う理由で、人がいないところで中川サンに殴られた」と報告を・・・!

いや、確かに肩をポンポンしましたよー

あれを殴られたとは!?

挨拶しないから殴る??わたしはヤクザもんかいな~()

 

 

もちろん、その「報告」については、

「えーっ!?、中川サンはそんなことせん(しない)やろう?」

と社内では相手にされなかったのですが。

日頃の行いが良かったから?助かりました~

 

 

その後も、彼女が自ら退職するまで、数々の恐怖の事件は続きますが。。。。ここに書くのはやめます。

 

 

でも、今にして思う。

彼女もしんどかったんやろうな、と。

今なら、わたし、彼女の心の声を、胸の奥の気持ちを受け止め、静かに聴くことのできる先輩でいられるのにな、と思います。

A子さん、どうしてるかな。

幸せだったらいいのにな、と思います。

 

 

ありがとうございます

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