おはようを絶対言わなかったA子の話
人の悩みの80パーセントは人間関係だ、と。
すべての人間関係は挨拶から始まるのですが、これまた挨拶で嫌な思いをする人も少なくない。
つまり・・・
「私が挨拶しても、相手が返してくれません」というもの。
挨拶に費やす時間ってごく短いもの。
コンマ何秒かの短い言葉の交流。
そう、やり取りができたなら、いちいち思い出しもしないほどのことなのですが、ただ、一方通行でお返しがなかったときは、それもまたコンマ何秒かのシーンには違いないのに、しっかり傷つきいつまでもこちらの胸に陰を落とすものです。
ちょっと昔の話をしましょう。
かつてわたしが勤めていたときのこと。
中途採用で、大人し~く地味~なタイプのA子さんが隣の部署に配属されました。
わたしは今と同じく明るく陽気なタイプ。
しかも派手、その当時はまだ「ゴージャス中川」「セレブ中川」と異名をとるブランドもんキラキラ時代を謳歌していましたしね!
早い話がA子さんとは全く逆のタイプ。
実は彼女はわたしのことが苦手だったのです。
初めはそんなことも気づかず、朝、出勤したらわたしは元気に
「おはようございま~す!」
顔を合わせた人みんなにフツーに朝の挨拶を。
しかし・・・彼女はわたしには「おはようございます」をゼッタイ言わなかった・・・それくらい「嫌いな相手」だったんでしょうね。
さすがのわたしもいつしかそのことに気づき、毎朝のおはようタイムは、若干イラッとする時間に。
そう、それでも欠かさず挨拶を続けていたんですよ、、、というか反射神経みたいに言ってしまう、というほうが正しいが・・・。
しかし!
わたしも機嫌よい朝ばかりではありません。
ついにある朝のこと。
ロビーですれ違いざまA子さんに「おはよう」と声をかけました。
すれ違いざまですから、超至近距離。
そこには二人しかいないからA子さんも自分に言われていることはわかるはず。
それなのに!
ガン無視。
ついにわたしは、無視を決め込み背中を向けてとっとと歩くA子さんの肩をポンポンとたたき呼び止めて
「あんた、朝の‘おはよう’ぐらい言いや~」
と言ったのです。
まさかこの一言が、恐怖の始まりだったとは、この時点では知る由もありませんでした・・・・
なんと、A子さんは上司に
「挨拶しなかったと言う理由で、人がいないところで中川サンに殴られた」と報告を・・・!
いや、確かに肩をポンポンしましたよー
あれを殴られたとは!?
挨拶しないから殴る??わたしはヤクザもんかいな~(笑)
もちろん、その「報告」については、
「えーっ!?、中川サンはそんなことせん(しない)やろう?」
と社内では相手にされなかったのですが。
日頃の行いが良かったから?助かりました~
その後も、彼女が自ら退職するまで、数々の恐怖の事件は続きますが。。。。ここに書くのはやめます。
でも、今にして思う。
彼女もしんどかったんやろうな、と。
今なら、わたし、彼女の心の声を、胸の奥の気持ちを受け止め、静かに聴くことのできる先輩でいられるのにな、と思います。
A子さん、どうしてるかな。
幸せだったらいいのにな、と思います。
ありがとうございます
2016.2.1