人間には2種類ある。盗る方と盗られる方・・・どっちがハッピー?
母が介護施設に入所しました。
病院ではもうこれ以上治療もできない、とのこと。
入院中は・・・毎日病院に通いながら・・・いろんなこと感じた。
いつもなら、弟とは年に数えるほどしか会わないのに、母の入院中は二日に一度ほどの割合で病室で会えた。
「お~!来てたんか~」
「お~!」
弟は優しい。
いつも重いのに、ペットボトルの水をたくさん買ってやってくる。
ところで、入院中は何度も盗難にあってしまい、、、その優しい弟が烈火のごとく怒っていた。
暗くなるのが嫌な母は、ベッドのカーテンを開け放していたので、よからぬことを考える人からは狙われやすかったんだと思う。
たいてい眠ってるし、起きていても病気のせいでちゃんと判断できない。
引き出しのセイフティボックスの施錠を何度母に伝えても、徹底できない。
看護師さんに必要なものをご用立ていただくこともあるので、病室にお金を用意していたら、ことごとく盗まれてしまった。
たくさんのお金ではないけど、お札はもちろん小銭まで。
日を替えて、見つかりにくいようにしておいたお金も。
買いおきしていたテレビカード(病院のテレビを観るためのプリペイドカード。換金できる)も。
しまいには、テレビに入れてある使用中のテレビカードまで。
「お母さんがかわいそうでな・・・」
そんな悪事を働く人間を口汚くののしりながら、弟は何度もそう言ってた。
「かわいそうになぁ、お母さん、かわいそうに・・・」
わたしは、弟と違って、母についキツく言うてしまう。
「もう、お母さん、ちゃんと(セイフティ)ボックスに鍵かけなあかんやろ、な?前も言うたやんか~」
「かけた」
「かかってないやん」
「でも、かけた」
「かかってないもん、ほら」
「前に鍵かけた」
「前て。毎回(鍵)かけなあかんよ」
「・・・はい」
「でもな、お母さん」
「・・・ふん」
「かまへんがな、お金盗られたところで知れてるしな。
そんなん、こっちからくれてやったらええねん」
「・・・ふん」
「考えたらな、盗るほう、盗られるほうがおって、わたしら盗られる方でよかったやん~」
「・・・そや」
「そやろ?平気で盗る人おるんやもんな~」
「盗られるほうでよかった」
「盗られる方は忘れたら終わりやけど、盗る方は心休まるときないよ?」
「・・・そや。よかった」
「よかったなぁ、お母さん」
・・・・弟は相変わらず、歯ぎしりして“犯人”に怒っていましたけどね!
5月からの入院生活にようやく終止符。
また新たな生活のスタート、がんばれ~
ありがとうございます^^
2014.8.10