一枚のさくら色のはがきから
ここのところ、毎日のように何通かのハガキや手紙が届きます。
母に。
母は、2年前足を骨折して入院となって以降、その後自宅での1人暮らしは無理だという判断から、施設に入所となりました。
その際、母宛の郵便物はわたしの家に届くように郵便局に届出をして、届いたものは施設の母に持っていっていたのですが・・・
なぜか、今年の年賀状、母宛のものが一枚もない!?
おかしい・・・・なんで??
問合せたら、わたし宅に届けられる転送期間が過ぎてしまっていたらしい。
つまり、年賀状も含め母宛の郵便物は、わたし宅にも母宅にも届けられることなく、差出人に「宛先不明」で返送されてしまっていたようなのです。
わたしは、ただちに再度転送の届けをだしたものの・・・
どなたからどんな郵便があったのかもわからず、わたしの不手際のせいで、母にも、そして母にお手紙を下さっていた方々にも申し訳ない思いでした。
そこで、4月のはじめ、母と相談して文面をつくり、桜の花の模様も入れてはがきを作りました。
内容は、ご無沙汰ご無礼のお詫びと、現在長女(わたし)宅の近くの施設に入所していること、リハビリ頑張っているのでご心配いただきませんように・・・などと、最後に母の自筆で一言書いてもらって、昨年のお正月に母宛に年賀状を下さった方々にお出ししたのです。
そしたら・・・
次の週から、うちのポストに母宛の手紙が毎日毎日来るようになりました。
母のはがきが着くや否やのタイミングで、ご自身の住む土地の美味しいものを送ってくださった方もいらっしゃいます。
封書は母の前で開けて読み上げる(目が見えにくいため)けど、はがきの内容は受け取ったときに目に触れます。
そしたら・・・皆さん、母の安否をほんとうに気遣ってくださっていたのだな・・・ということがわかって、胸が熱くなります。
お便りを下さる方の多くは、中学で教鞭をとっていた母の教え子の方です。
母はいま80歳。
退職してもう20年になるのに、担任を持っていた頃なんてそのもっともっと前になるのに、かつての生徒さんたちは中学生だった3年間の間に出会った母のことを、こんなに大切に、まるで自分のお母さんみたいに大切に思ってくださっているのだな、と涙がこぼれます。
そしてここまで愛される母は、やっぱり大きな愛の人なんや、と思えます。
わたしが中学1年のとき、英語の授業で「私の家族」という題で英作文が宿題に出ました。
「My mother is a teacher.(私の母は教師です)
She likes her students.(彼女は生徒たちが好きです)」と書いていたら、たまたま横から見た母が
「ライクじゃなくてラブに変えて」と言ったけなぁ~
便りのないのはよい便り・・・なんていうけど、便りがあるのは温かい。
手紙もはがきの一言でさえ、愛そのもの。
明日は、また今日届いた手紙を母に持っていきます。
母の笑顔が楽しみです。
ありがとうございます
2016.4.13