【ありがとうのじかん】ファンキーモンキー恋する川柳1/18お題「銀」入選句
お題「銀」
*入選句
終わるのね足跡も消え銀世界
(奈良県/たま)
一面の雪を銀世界と呼ぶ日本語の美しさ。
恋の終焉でしょうか。雪の白さと冷たさが一層切なく思い出に降り積もるようです。
七福の神が渡っていく銀河
(兵庫県/邦子)
なんとおめでたい!!
宝船に乗った七福神が渡っていく銀河、希望あふれる句。
大願を銀貨に込めた初詣
(大阪府/凡)
初詣で大きな願いを神頼み。願いは大きいのだからお賽銭はお札で・・・といきたいところですが、小銭入れから出した銀貨。でもいっぱいの思いが詰まってます!
銀シャリに愛をこめたる握り飯
(神奈川県/則久)
銀、と聞いて「銀シャリ」とは。さすがコメの国ニッポンの人だ!
お題が出たときに自由な発想で題を活かすのも川柳を詠むおもしろさです。原句は「銀シャリに愛をこめて握り飯」とありましたが、中七が字足らず(1字少ない)でしたので、表記句のように添削しました。
銀貨握りしめ苛立ちを耐える
(大阪府/日出夫)
ぐっと堪えた怒り。よく耐えましたね、と手の中の銀貨が言ってくれていますよ。佳句です。
いぶし銀を褒められ言えぬ親父ギャグ
(大阪府/やすひろ)
いぶし銀なんていわれちゃったら、もういつもの親父ギャグは飛ばせませんネ!どちらが本当の顔なのでしょうか。きっとどっちもでしょうね!
銀婚式磨けば光るさじ加減
(神奈川県/ひとし)
酸いも甘いも分かち合って、山越え谷越え25年連れ添ってきたた夫婦。微妙なさじ加減も熟知して、お互いを磨きあえる心地よさ。
咥えてた銀のスプーン錆びたまま
(兵庫県/松甫)あらら。確かにキンピカだった銀のスプーン。いつのまにか錆びてしまって、それでもあの豊かさを手放すことができずにいるんですね。*「銀のスプーン(匙)を咥えて生まれる」とは「裕福な家に生まれる」の意。
☆特 選
銀の鈴転がすように噓をつく
(滋賀県/弘子)
ドキッとする句。
銀の鈴を転がすような噓とは、さぞや涼しげな声で囁かれる美しい噓なのでしょうね。そんな噓なら、男性はみんな騙されたいと思うかもね。
佳句です。
*その他の作品
○譲られて窓に映った老いた顔
(大阪府/凡)
句のなかに「銀」の字はありませんが、これは電車のシルバーシート(優先席)の句ですね。
席を譲られたとたんに老いてしまったのかも。。。。川柳では、お題が出たときはそのお題(今回は「銀」)を忠実に句に盛り込む場合もあれば、直接その言葉を使用せずとも読み手に感じさせる、という詠み方もありますよ。この句は後者になります。
皆様、いろいろ試して、ぜひ自由自在に心を暮らしを人生をどんどん川柳にして楽しみましょうね!!!
ありがとうございます
2018.1.20