【ありがとう便り】東日本大震災から9年・・・
ラジオ【中川千都子のありがとうのじかん】
【お手紙ヤギさん ありがとう便り】のコーナーではリスナーの皆さまからの「だれか(なにか)に伝えたいありがとう」のお便りをご紹介しています。
兵庫県姫路市の船本ユミさんからのお便りです。(3/12放送分)
****************
息子浩太のもとにお嫁にきてくれた春菜ちゃん。
春菜ちゃんは、東北で菜の花の咲く三月終わりに生まれました。3歳の時に高熱で難聴になり補聴器を着けていますがとても明るい子です。
春菜ちゃんは まるで光そのものです。学ばせてもらうことばかりです。
じつは、春菜ちゃんから 結婚した頃
3.11東北の震災の話を聞いた事あります。
春菜ちゃんは当時高校卒業したばかりの18歳、そのときにお付き合いしていた彼を津波で亡くされたそうです。
地震に見舞われたそのとき、ちょうど自動車学校に行っていた彼に、春菜ちゃんが安否を気遣うメールを送ると、「大丈夫♪」と返信があったとのこと。
その直後に彼は津波にさらわれてしまったのでした。
その後連絡がとれなくなった彼を探し続けていた春菜ちゃん。
変わり果てた姿での再会は1週間後でした。
それでも会えてうれしかったそうです。
息子にその話をすると。「俺が、彼の分まで春菜を守るから」そう言ってくれたと聞きました。
私にその話をするとき、春菜ちゃんは、 少し涙ぐみながらも、明るく話してくれました。
震災から数年後、私の息子とご縁をいただき、お嫁にきてくれたのは、今から三年前のこと。
亡くなった彼のご両親にも可愛がっていただいていた春菜ちゃんは、自分だけ幸せになるようで、彼のご両親に結婚の報告はしづらかったとのこと。
でも勇気をだしてお伝えすると、とても喜んでくださったそうです。ご両親もまた春菜ちゃんの幸せを心底祈っておられたのです。
春菜ちゃんとのご縁、亡くなった彼のご両親とのご縁に、心から感謝します。息子も彼にもそう思っているのだと思います。
春菜ちゃんは、そのとき「今を生きる!」と話してくれました。
こんな春菜ちゃんが家族となり、ほんとうに私達がこの子の愛に支えられています。
ご自身も被災された、今野華都子先生から、坂村真民先生の詩を教えてくださりました。
この詩に涙が止まりません。
鳥は飛ばねばならぬ 人は生きねばならぬ(坂村真民)
鳥は飛ばねばならぬ
人は生きねばならぬ
怒涛の海を
飛びゆく鳥のように
混沌の世を
生きねばならぬ
鳥は本能的に
暗黒を突破すれば
光明の島に着くことを知っている
そのように人も
一寸先は闇ではなく
光であることを知らねばならぬ
新しい年を迎えた日の朝
わたしに与えられた命題
鳥は飛ばねばならぬ
人は生きねばならぬ
震災から9年
2020・3・11
今を生きる!
生命のある限り。
春菜ちゃんの思いは、今を生きる・・・前を見て生きることを教えてくれました。
人の命はいつか尽きるとも
命ある限り今を
受け日もちさせていただきます。
ありがとうございます
姫路市 船本ユミさん より
****************
人は悲しみを抱えながらも、涙をぬぐってまた前に進むのですね。
本当に人間って愛おしいです。
ユミさん、大切なお便りをお寄せいただき、ありがとうございます
【中川千都子のありがとうのじかん】
*生放送は毎週木曜日13:00〜14:00
再放送は・・・同夜23:00〜24:00/日曜あさ11:00〜12:00
*松原インターネット放送
2020.3.15