【ありがとうのじかん】ファンキーモンキー恋する川柳 2月のお題「時間」③
〈2月20日放送分〉
お題「時間」
*入選
進みゆく時間に響く波の音
(横浜市 則久)
まっすぐ突き進むのりさんの耳に聞こえるのは波の音。悠久のときを超えて、波は今も昔も変わらずに寄せては返し・・・黙って見守ってくれているかのようだ。
悲しみも時間と共に青い空
(高石市 妙賀)
悲しみに胸をふさがれていたけれど、涙をぬぐって見上げたら、晴れ渡る空が広がっていた。ゆっくりと過ぎ行く時間のなかで、悲しみから解き放たれる妙賀さん。新たな力をくれる空の青。
時は過ぎ行こか戻ろか下駄ならす
(明石市 良香)
中7「行こか戻ろか」がとても良い。行こうかやっぱり戻ろうかと迷っている下駄。どこか懐かしい光景がたちのぼり、ほっとする一句。
生きぬいて亡夫と共に時間(とき)紡ぐ
(高槻市 悠)
先に旅立った愛しい人。ともに過ごしたかけがえない時間。あなたの分も生きてゆくからどうぞそばで見守っていてほしい。
*特選
日が暮れて人に戻っていく時間
(草津市 弘子)
昼間は自分を失くすほど、くたくたに働いた。夕暮れて町に灯がともる頃にようやくほっと静かな時間。この時間こそ、本来の私を取り戻す大切な時間。
2020.3.27