高齢者は幸齢者~!100万ドルの笑顔プリーズ!
母が入院して、一ヶ月半になります。
出張以外のときは、毎日病院へ通っているのですが、、、あまり母からは笑顔を向けてもらえず、自分の無力さを感じたりもします。
「痛い」「つらい」「情けない」「なんでこんな病気になったのか」「悲しい」「昔はこんな私じゃなかった」「こんなに歳をとってダメになってしまった」「きっと寝たきりになる」・・・などなど、母の口からは、楽しい言葉の反対言葉ばかりがわんさかわんさか・・・盛りだくさん!
わたしは、毎日ありがたいことばっかりで、口をついて出るのは「楽しい、うれしい、ありがとうございます」ばっかりなのに、なんでお母さんはこんな暗い言葉を使って、暗い表情のままなんやろ?
言葉だけでも変えたらいいのになぁ。
ちょっと口角あげて、笑顔みたいにするだけでもいいのになぁ。
わたしが「スマイルエクササイズしよう!」と働きかけても、いっさいしようとはしません。
なんでやろ~???
山奥で仙人のようにお暮らしのある先生が、わたしの疑問に、「親の姿は、ひとつ前の自分の姿です」とおっしゃいました。
ひとつ前の自分の辛い姿を示してくれているのだ、と。
・・・・ってことは?
もしかして、母の姿は、「あぁ~、マイナス言葉ばっかり言って、自分や環境を責めていた、昔の自分の姿なんか?!」う~ん・・・
「親は自分がつらい姿をすることで教えてくださるのです。大犠牲心の愛なのです」と。
大犠牲心の愛。その言葉には思わず涙がこぼれました。
さて、今日は母の入院以来初めての外出。
ほぼ一日母と過ごしました。
「今日はな、お母さん、介護施設の見学に行くんやで」
「ん、わかった」
「ほな着替えよか。服持ってきたで」
「ん、わかった。今日は温泉連れてってくれるんやったな?」
「え!温泉はいかんよ。介護施設の見学やで」
「ん、わかった」
「だから、早よ着替えよ」
「あい、温泉いくんやな」
「温泉ちゃうで」
「焼肉食べにいくんやな」
「焼肉いかんよ!」
「あ、温泉が先か」
「温泉も焼肉も行かんよーーーーーーー!」笑。
車椅子を押しながら、介護施設の見学へ。
施設では母より人生の先輩、80代90代の高齢者の方がたくさんおられます。
最近思うけど。
お年寄りはおられるだけで、ああ、素晴らしいな、と。
戦争を体験し、ものの無い時代を生き、真面目に働き家庭を守り子育てをし、、、日本を大きな国にした。
・・・施設におられるお年寄りの穏やかなご様子に、そんなことを思ったり。
なかには、車椅子の母に「こんにちは」とお声かけてくださる方も。
「お母さん、ここでは若い方やな!」
耳元でささやくと、母はにま~っとうれしそうな顔になりました。
「ここええとこやね!」と上機嫌に。
お母さん、もっともっと笑ってね。
もっともっと、昔のお母さんみたいに。
あっはっは~!て笑ってたあの頃みたいに。
きっとその日は近いうちに・・・そう信じて施設をあとにしました。
薄紫のアガパンサスが、わたしたちを見送るように揺れていました。
ありがとうございます^^
2014.6.30